
在来作物 夏【外内島きゅうり】
夏【外内島きゅうり】
鶴岡市外内島地区で栽培されている、みずみずしく、皮が薄く、肉厚でサクッとした歯触りが特徴のきゅうり。頭の部分は緑色で苦味が強く、お尻の部分は白くて甘い。
夏【外内島きゅうり】
鶴岡市外内島地区で栽培されている、みずみずしく、皮が薄く、肉厚でサクッとした歯触りが特徴のきゅうり。頭の部分は緑色で苦味が強く、お尻の部分は白くて甘い。
夏【民田なす】
鶴岡市民田地区で栽培されてきた、果肉にしまりが良い小型の丸なす。松尾芭蕉「奥の細道」に登場する、初なすびが民田なす(当時の呼び名は「外内島なす」)であるともいわれている。
夏の行事食「お盆」
13日の精霊迎えから16日の精霊送りまでの期間を言います。ご先祖様の霊を迎え、霊を供養する行事です。鶴岡市街地、加茂、湯野浜地区や旧温海町の湯温海地区では7月13日から7月16日に行い、それ以外の地域では8月13日から8月16日に行っていることが多いようです。
(江戸時代までは全国的に7月15日を中心にお盆を行っていましたが、明治になって新暦(太陽暦)が採用されると、新暦の7月では当時の農家にとって一年中で最も忙しい農繁期であり、ゆっくりと先祖供養ができませんでした。そのため一か月時期をずらしてお盆の行事をするようになりました)
精霊迎え【13日】
各家庭でご先祖様の霊をまつる精霊棚を作り、盆花を供えます。支度が整ったら、餅やあられ(刻みなす)を重箱に詰め、花や水、菓子を持って墓参りに行きます。夕方には門前で迎え火を焚いてご先祖様の霊をお迎えします。
精霊送り【16日】
お供えした物を川や海に流し、ご先祖様の霊を送ります(朝ご飯をお供えしてから、午前中のうちに送る)。この時期行われる盆踊りは、もともとはお盆に帰ってくる霊を慰め、これを送るために踊ったのが始まりでした。
亡霊(亡利(もり))供養【24日】
庄内地方独特のもので、ぼた餅を持って墓参りをし、塔婆を立てて死者の冥福を祈りご先祖様を供養します。以前は鶴岡市清水にある『モリの山』に参拝しましたが、現在では各寺院で供養が行われています。
献立内容
(写真中央 膳左下から時計回り)
* ご飯
* 漬物
* 南禅寺豆腐
* 煮物
* ところてん
* 汁物
吸い物、すまし餅、八杯汁(はちへじる)など。他になすの田楽、みょうがの田楽、なすの鍋焼き、ねじりなす、いんげんの和え物など各地域、家庭により様々です。
(写真両端)
* うちわ餅
(写真上左から)
* 牛(へた付きのなす)
角・・・青唐辛子
足・・・柳
耳・・・枝豆
尾・・・ヒエ、ススキ、とうもろこしの毛
昆布の腹巻き(くらの意)
* 馬(きゅうり又は夕顔)
足、耳、尾は牛と同じ。
※ 現在、足を割り箸などで代用している家庭が多いようです。13日の朝、小鉢に入れた水をヒエの穂かぼうず花(千日紅)で牛と馬にかけてあげます。
* あられ
きゅうり、なすを1cm角に切り、水にさらしたもの。蓮の葉の上にのせる家庭が多いようです。
山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」
秋【庄内柿】
庄内地方一円で栽培されている平核無(ひらたねなし)という渋柿。庄内柿の原木は今も鶴岡市鳥居町に現存し、鶴岡市の天然記念物に指定されている。種がなく、四角平らで、果肉は固め。渋抜きすると、さわやかな甘みをもつようになる。
秋【からとりいも】
庄内一円に分布し、最上川を境に北は青茎、南は赤茎と栽培系統が分かれている。えぐみの少ない里芋の一種。親芋、小芋、茎、葉まで全て食べられる。庄内風いも煮に入れると絶品である。
秋の行事食「田の神上げ」【11月23日】
春に山を下った神が『田の神』となり、その勤めを終える秋には山に登って『山の神』となると言われています。田の神上げとは、一年間田を守っていただいた神様に感謝し、田の神が山に帰るのを送る行事です。地域によって違いはありますが、全体としては11月23日に行われます。
献立内容
一の膳(写真左下から時計回り)
*ご飯
*漬物(赤かぶ漬)
*尾頭付きの魚(口細カレイ)
*雑煮餅
二の膳(写真上から)
*煮物(鮭と大根の煮付け)
*お浸し(菊のお浸し)
他にあん餅、油揚げの煮物、なめこのおろし和え、吸物など各地域、家庭により様々です。
鶴岡では、今年取れた新しいもち米で餅をつき、箕のに入れ、稲穂、御神酒、新米と尾頭付きの焼き魚とともに神棚に供えます。その年の新米は田の神上げの際に初めて食べていました。
山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」
冬【小真木だいこん】
鶴岡市小真木地区を中心に栽培される。長さ20〜25cmの徳利型の置漬け用白首だいこん。生では苦味があり、おろすと辛みが強い。庄内の正月料理の「ハリハリ漬」に欠かせない野菜。葉もやわらかく美味。
冬【温海かぶ】
鶴岡市温海地区で330年以上前から焼畑栽培され、山形県に残存する在来作物の中で最も古い歴史を持つものの一つ。カリッとした歯ごたえは漬物にしても絶品で、200年以上前の古文書に、高植で珍重された(かぶ18個で米一升と交換された)との記述が残っている。
冬の行事食「大黒様のお歳夜」【12月9日】
大黒様が妻を迎える夜とされています。豆炒りや米炒り、まっか大根(二股大根)を供え、黒豆料理と大根料理を食べて、豊作と子孫繁栄を祝います。豆と大根は畑作物の代表であり、それらを供えることは大黒天を農神として信仰していることを示しています。
大黒様とまっか大根
大黒様は餅が大好きだったそうです。ある時、餅をたらふくごちそうになり、家に帰る途中腹痛をおこしました。川端で大根を洗っていた嫁に「一本下さい」と頼みましたが、嫁は姑から大根の本数を数えて渡されているので、あげることができず困りましたが、大根の中にあった、まっか大根(二股大根)の一方をかき取ってあげました。大黒様はもらった大根で腹痛を治すことができたので、たいそう喜ばれたそうです。このことから、毎年大黒様にまっか大根を供えることにしたそうです。又、まっか大根は大黒様のお嫁さんだとも言われています。
献立内容
(写真のお膳左下から)
*黒豆ご飯
*焼き豆腐の田楽
*ハタハタの田楽(子孫繁栄の願いを込めて作ります)
*黒豆なます
*納豆汁
(写真右)
*米炒り
他に、まっか大根(二股の大根)、豆炒り、升一杯の豆、御神酒、升に財布などを入れて供えます。このお供え物には一年の収穫や収入を感謝する意味が込められています。豆尽くしの料理を作る大黒様のお歳夜の料理は、家族がまめ(健康)に暮らせるようにとの願いも込められています。
山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。
鳥海山は、山形県と秋田県にまたがる標高2236mの名峰で、日本百名山にも選定されています。多くの登山客や観光客が訪れる人気の山です。冬に雪が積もると富士山のような姿を見せるため「出羽富士」とも呼ばれています。夏の緑、秋の紅葉など、四季折々の表情が魅力的です。
山頂からは鳥海高原や日本海を一望でき、晴れた日や空気が澄んでいる日には、美しい月山の姿を見ることもできます。
鳥海山は修験道の霊場としても知られ、古くから多くの信仰を集めてきました。山中には古い神社や寺院が点在し、歴史と文化が息づいています。
鶴岡から鳥海ブルーライン上にある「鉾立(ほこだて)」登山口までは車でわずか1時間ほど。鶴岡の温泉地は、登山の疲れを癒すのに最適なスポットとなっています。
三の坂を登ったところに斎館(羽黒山参籠所)があり、現在は参拝客の宿泊所、食事処として利用されています。
窓からは庄内平野の雄大な景色を眺められ、精進料理は、長い年月に育まれた上品で洗練された味わいを楽しめます。
芭蕉膳と名づけられた雪の膳、月の膳、花の膳の三種類もあります(要予約)。
羽黒山の三の坂を登ったところに斎館(羽黒山参籠所)があります。
現在は宿泊所や食事処として利用されていて、窓からは庄内平野の雄大な景色を楽しめます。
精進料理は、長い年月に育まれた上品で洗練された味わい。
芭蕉膳と名づけられた雪の膳、月の膳、花の膳の三種類もございます。