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山戸能【秋の祭典 11月23日】

【5月3日、11月23日、8月下旬(夕陽能:道の駅「あつみ」しゃりん)上演】

 山五十川地区に伝わる能楽です。
 地域に伝わる文献では貞観8年(866年頃)に「謡」、「切り能」、「恋慕の舞」などが、寛永年間(1624~43年)には天龍上人から「座揃囃子」、「道行きの囃子」を教え伝わったとされています。
 謡は観世流ですが、「座揃囃子」と「恋慕の舞」は全国でも珍しい特色をもっています。
 櫛引地域の黒川能とも深い関わりがあるといわれています。曲目は明治30年頃までは120番ありましたが、現在では内9番が伝えられ演じています。
 県指定 無形民俗文化財(昭和39年)

◆入場料  :無料
◆お問合せ先:山五十川公民館(TEL:0235-45-2949)

くろわかわのあき祭【2024年11月23日・11月24日】

春日神社では秋の実りを感謝する新嘗祭が執り行われます

この日は賑やかな縁日にくわえ

櫛引東小学校150周年のお祝いと

それぞれの想いを込めた奉納花火の打ち上げも!

朝晩白鳥の声が響きわたり 冬の足音がする黒川 ー

でもきっと あったかいたのしい二日間になるはず!

鶴岡ガストロノミーサミットを実施しました

2023年11月14日東京第一ホテル鶴岡で行われた「鶴岡ガストロノミーサミット」のレポートです。

「“ガストロノミーの聖地”になるために必要な『共創』意識」

2023年11月14日、前日に行われた「鶴岡ガストロノミーツーリズム~出羽三山精進料理を題材に」に引き続き、東京第一ホテル鶴岡で、「鶴岡ガストロノミーサミット」が行われました。「食の多様性」を掲げて訪日外国人を受け入れる環境整備を行う中で、ガストロノミーツーリズムが域内観光の強みにどうつながっていくのか。そして地域が、同じベクトルで進むためにも地域の合意形成をどう図っていくかをテーマに考えられた講演会です。構成は2部制で、第1部では「食のグローバル化と鶴岡のガストロノミー」と題して、ニューヨークやロサンゼルスで料理の技術を磨き、現在は日本におけるヴィーガン、プラントベース料理の第一人者である杉浦仁志シェフに登壇していただき、続く第2部では、杉浦氏に加えて、庄内ガストロノミーの第一人者で全国的にも知られるイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行オーナーシェフ、ガストロノミーツーリズム研究の先駆者で平安女学院大学の尾家健夫教授が登壇しました。3人の話を引き出すファシリテーターには、地元のガストロノミーを磨き上げてきた合同会社MATERNAL小野愛美氏が務めています。

第1部の杉浦仁志シェフの基調講演では、「食の多様性」を考えることからスタート。体質や宗教などさまざまな理由から食べられない食材もベジタリアンやヴィーガン料理であれば、より多くの人が同じ料理を楽しめます。そのため、まずは、その理解から講義が行われました。さらに、インドは人口の半分がベジタリアンであり、台湾にもベジタリアンが多いといった市場の大きさや、ニューヨークでは、ヴィーガンの三ツ星レストランのコースが3万7000円にもなるという経済的な恩恵についても話され、野菜だけでも高単価が得られることを知った参加者からはため息が漏れていました。メリットが大きいこの分野で、日本でその恩恵をもっとも受けられるのが鶴岡だと杉浦シェフは言い、ガストロノミーの聖地になれるとまで断言します。その理由の一つが精進料理の存在。ベジタリアン、ヴィーガンと親和性の高い料理なだけに、考え方を少し変えるだけでベジタリアン、ヴィーガンに転用できると杉浦シェフ。ただ、そのためには料理人だけが努力してもダメで、地域の人々と共創することが欠かせないということを付け加えていました。鶴岡のポテンシャルの高さを聞いた参加者はポジティブに反応。「ヴィーガン、ベジタリアンの基本的な知識を知れて良かった」という感想だけでなく、「食のネットワークが重要」「食を通した課題解決が可能」といった積極的な提言まで飛び出し、鶴岡の食の魅力を再認識する講演となりました。

続いて第2部では、「ガストロノミーを目的とした観光地になるために必要なこと」が、まずはテーマとして挙げられました。尾家教授が参考にすべきとしたところは、フィレンツェの街などで知られるイタリアのトスカーナ州。ルネッサンスの芸術ととともに食が観光の目玉となっており、ワインやチーズ、パスタは輸出も行われ、ガストロノミーが観光を含む経済の中心であることを説明されました。さらに教授は、鶴岡もまた昨今の日本食のグローバル化から、トスカーナのようになれると期待を述べます。一方、これまで地域のガストロノミーをけん引してきた奥田シェフは、取材を受ける際に生産者にも会ってもらい、生産者とその生産物の素晴らしさについても伝える工夫を行ってきたと言います。しかもそれが、生産者の誇りにもつながるというのです。さらに奥田シェフは、鶴岡に視察に来る料理人や経営者たちを連れて行く「奥田版ガストロノミーツアー」のコースを披露。そのコースは善寳寺の魚の供養塔で手を合わすことからはじまり、かつて天領であった大山で多くの酒がつくられ、酒粕が豊富であったことが漬物の発展につながったなど、現在に至る食文化の歴史が見えるコースになっています。最後は、これまでまわってきたコースで収穫された食材を使ったフルコースが待っており、その土地をストーリーとして感じられる工夫がなされています。シェフにとっては、こうした工夫がそれぞれの街に色があるイタリアやフランスと、鶴岡が肩を並べることだと考えていると述べていました。

次に、小野氏から「地域においての合意形成」について振られると、杉浦シェフは「共創する地域になるにはコミュニティが重要」と話し、文化人の多い鶴岡だけにジャンルを超えたコミュニティができるのではと期待を語りました。さらに、コミュニティが魅力的になるためには、自分の強みや特長を知ることと、まず自分が動き出すしかないということを、奥田シェフが経験を踏まえて付け加えていました。
最後に、課題について聞かれた尾家教授は、インバウンドブームの先行きを懸念します。このブームが今後10年続くかは不透明ですし、世界中で観光客を奪い合う都市間競争が激化するとも予想しているといいます。その共創を勝ち抜くために尾家氏は、鶴岡のガストロノミーを世界に発信することが重要で、そのためには食のアトラクション化が必要だと述べていました。築地市場はその良い例であり、それ以外にも、食の祭りであるフードフェスティバル、奥田シェフの考えたような地域をめぐるフードツアー、そして食にまつわる場所を自由にまわれるフードトレイルの3つを提言していました。
奥田シェフも庄内地域が生み出す素材の素晴らしさを称えながら、次の世代をどう育てていくかを課題として挙げ、在来作物の利用法や調理法など、食を通じた地域文化を継承していくことが、鶴岡ガストロノミーツーリズムには欠かせないことだと結びました。
参加者からは、「鶴岡のポテンシャルの高さを再認識した」という意見とともに、さらなる成長に期待する声が多くみられました。その一方で、ディスカッションのテーマにも選ばれた「共創」という分野では、「鶴岡市全体でいかに一体となれるかが重要」という意見が散見され、魅力の多さゆえにそれぞれが独自に活動し、一体化できないもどかしさ、難しさが感じられるアンケート結果となりました。

鶴岡ガストロノミー 「精進料理プロジェクト講演会」 実施しました

2023年11月13日、東京第一ホテル鶴岡で行われた「鶴岡ガストロノミーツーリズム~出羽三山精進料理を題材に」と題した講演会、および精進料理と日本酒のマリアージュを考える研修会のレポートです。

「精進料理の価値を再発見するも、どう伝えていくかが今後の課題」

日本で最初のユネスコ食文化創造都市である鶴岡市では、独自の観光資源をまとめた「詣でる、つかる、頂きます」をキャッチフレーズにこれまで観光客を迎え入れてきました。なかでも「詣でる」「頂きます」の両方にまたがる出羽三山の精進料理は、地域の大きな魅力の一つであり、訪日外国人からも根強い人気を誇っています。既に、その歴史や調理法、食材の整理などは確立されており、伝統維持に関しても力を入れてきましたが、今回、観光資源としての受け入れ体制を強化するために、「食の多様性」を目標に掲げ、2023年11月13日、市の中心にある東京第一ホテル鶴岡で、「鶴岡ガストロノミーツーリズム~出羽三山精進料理を題材に」と題した講演会、および精進料理と日本酒のマリアージュを考える研修会を行うことになりました。

法螺貝の音とともにスタートした第1部の講演会では、ファシリテーターを数百年の間、信仰者を受け入れてきた手向地区で、元は宿坊であった旅館「多聞館」を営む土岐彰氏が務め、宿坊「大進坊」の坊主で羽黒山伏でもある早坂一広氏、いでは文化記念館館長で、同じく羽黒山伏の吉住弘幸氏を迎えて行われました。
登壇した3人は、檀家と呼ばれる信仰者が減少している現状から、12年前に宿坊や旅館などとともに「精進料理プロジェクト」を発足した仲間でもあります。
講演会では、まず3人から、精進料理が山の神様の食べ物を身体に入れる修行のひとつであることが参加者に説明され、この精進料理を中心とした地域文化を国内だけでなく、イタリア食科学大学など海外の教育機関などにも伝える活動を行ってきたことが披露されました。その地道な活動は、旅行会社などからは「出羽三山といえば精進料理」というイメージを確立する成果につながり、宿坊に泊まる旅行者なども増えているといいます。訪日外国人客に関しても、吉住氏から「山形県全体でいえば中国、台湾、タイなどアジア圏からの旅行者が多いが、出羽三山に関しては、その精神性に魅かれた米国、フランス、スペインなど欧米からの旅行者が多い」という調査結果が報告され、今後もその強みを生かしていくことが述べられました。今後について3人は、鶴岡に来てもらいたいターゲットを設定して、地域固有の文化を共有する農家などの人々と連携しながら、「精神文化を推してくことが、結果的にガストロノミーツーリズムにつながるのではないか」という提言を行いました。

この3人の話に対し、観光事業者や地元在住の外国人を含む86名の参加者からは、「精進料理の背景を知ることができた」「鶴岡の魅力になる」など、地域文化の再発見になったという声があがりました。さらに、「山歩きや登山、収穫体験などアクティビティと食の組み合わせが今後誘客する上でもカギとなるのでは」といった提案もあがりました。一方で、ベジタリアン対応など、「誰もが一緒に食を楽しめる環境づくり」という観点については、精進料理がベジタリアンメニューに親和性が高いことは認めつつも「わざわざ変える必要はない」という伝統を守る派と「できる限り対応すべき」という柔軟な対応を求める派に意見がわかれています。いずれにせよ、地域でも精進料理の認識が人によって差があることから、まずは出羽三山の精進料理が精神文化に裏打ちされているという情報を的確に、そして、楽しく伝達することが求められていることがわかり、その体制づくりが次の大きな課題になることが確認されました。

続いて第2部では、精進料理に価値を付加することを目的に、日本酒とのマリアージュを考える試食会が行われました。第1部に引き続き土岐氏が精進料理を説明し、出羽三山の御神酒をつくる「竹の露酒造場」の相沢政男代表をゲストに迎えて、それぞれの料理にあう、それぞれの日本酒の説明とその相乗効果について解説いただきました。
用意された精進料理は四季を表したもので、春は山菜、夏は月山筍、秋は舞茸や柿、冬は冬菜など、季節の食材を使ったてんぷらや煮物などの料理が供されました。食の多様性にもこだわったことで、調味料にも味噌や醤油などはグルテンフリーの製品が使われました。
料理に合わせた日本酒の解説を相沢氏から聞きながら味わったことで、参加者たちは、日本酒との相性の良さに驚きながら、舌や目で感じるだけでなく、知識や記憶といったものからも味わう経験を楽しんでいました。アンケート結果からも約8割の方が満足しており、感想には、「出羽三山の山がけや滝行を経験したほうが食の意味も深くなる」など、精神文化とともに伝えるべき、味わうべきだという声が多く聞かれました。
今後の課題としては、精進料理と日本酒のマリアージュをいかに知ってもらうか、どのように伝えるのかがこれまで通り、大きな壁となりますが、その壁を超えた暁には、文字通り唯一無二のガストロノミーの聖地が誕生するという期待感を参加者全員が思ったのではないでしょうか。

フードダイバ―シティ対応研修会「ベジタリアン研修」を開催しました。

「『創意』と『工夫』で食のダイバーシティを実現」

ユネスコ食文化創造都市に選出されて10年、ガストロノミーツーリズムを地域一体となって進めてきた山形県鶴岡市。最近では、インバウンド需要を見据えて、フードダイバーシティ、食の多様性を掲げて活動を行い、2023年11月13日には精進料理の歴史や魅力を、14日には鶴岡の食の多様性とポテンシャルを考える「鶴岡ガストロノミーサミット」を行いました。その時に課題として出たのが、「食の多様性を実現するためにいかに必要な知識を身に付けるのか」ということでした。その解決策のひとつとして、「ベジタリアン研修会」を、2024年1月25日、アル・ケッチャーノアカデミーで行いました。
研修は二部制になっており、講義を行うのは、第一部が14日のサミットにも登壇し、これまでも地域のガストロノミーをけん引してきたアル・ケッチャーノのオーナーシェフである奥田政行氏。続く第二部には、料理家であると同時に日本各地で地域フードプロデュースを行う株式会社Maestranzaの比嘉康洋代表取締役が務めました。

重要なのは料理人の引き出しの数
第一部は、「奥田流ベジタリアンガストロノミー」と称してまずは座学からはじまります。長年、鶴岡の食のポテンシャルについて独自に調査を行ってきたシェフによれば、世界中でもっとも野菜や魚の種類が多いのが日本だそうで、とくに野菜の種類が豊富な理由としては日本がシルクロードの最終地点であることが挙げられるといいます。なかでも鶴岡市は水揚げされる魚介類が141種類もあり、野菜や果物も豊富でブドウだけでも56種類、リンゴも約40種類もあるといいます。その背景には、狭い地域ながら平野から山岳まで多様な地形が異なった気候をもたらす自然と、出羽三山への信仰があることによって、参詣者が野菜や果物などの貴重な「種」を金銭的な価値として持ち込んだという文化的な背景を挙げました。そのおかげで在来野菜などの数百年前から残る野菜がいまも残っているのだと解説します。
山と海が近いことから、以前よりこの地域では山菜料理でも魚介が入ることがあり、そのことが、鶴岡の美味しさにも影響しているといいます。例えば、鰹節などに含まれるイノシン酸はうま味であるグルタミン酸と掛け合わせることによってうま味は5倍にもなるそうです。そういった背景を基に、奥田流のベジタリアン研修は、植物と動物性タンパク質がかけあわさった、ベジタリアンのなかでも野菜とともに魚介が入る「ペコスタリアン」の2品と、2016年にイタリア・ミラノで行われた野菜料理コンテスト「The Vegetarian Chance(ザ・ベジタリアンチャンス)」にアジア代表で出場した時に世界3位に輝いたヴィーガン料理の計3品を学ぶ研修となりました。
まず、奥田シェフがつくったのは世界3位の料理。鶴岡版ラタトゥイユともいえる一品は、キュウリやニンジン、ミョウガなどの野菜を塩であえて乳酸発酵させるシンプルなもので熱を加えません。ラタトゥイユとの違いは、「地中海は乾燥しているので野菜の苦みが強く、それでオリーブオイルと熱で中和する」そうで、鶴岡の野菜は甘みがあるため熱を加える必要がないとのこと。これは、郷土料理である「山形のだし」と発想が一緒であり、それで「山形のだし 冬バージョン」というタイトルになっています。
続く「ペコスタリアン」2品は、月山の雪国をイメージした「のどぐろムース」とキンカラ鯛とイカ、ズッキーニの「キンカライカズッキーニ」がつくられ、のどぐろは脂をうまく出すこと、淡白なキンカラ鯛は175度で焼き色をつけるなど、食材それぞれにあったうま味を凝縮する調理法を見つけることが重要だと述べ、そのためにも、料理人は引き出しを多く持つことが求められるとシェフはいいます。その後の質疑応答では、油やオーブンの温度、でんぷんについてなど料理人の研修ならでは核心を突く質問が飛び交いました。

現場を疲弊させないための「代用」
休憩をはさんだ第二部では、「フードダイバーシティはじめの一歩」と称して、講師である比嘉さんが日本各地で行っている地域と食のつながりの解説からスタート。比嘉さんは京丹後ではレストランバスを宮城の温泉地では古民家を通じて、他にも函館空港や十和田湖などで地元の食を観光資源としてプロデュースされていますが、そんな比嘉さんから見ても庄内の食材の豊富さと食文化の魅力は格別なものだといえるそうです。とはいえ、飲食店や旅館、ホテルの誰もが余裕を持って食のダイバーシティに向き合えるわけではありません。人手などオペレーションの問題もありますし、金銭的な問題もはらみます。
そこで比嘉さんは、こうした現実的な課題を乗り越える工夫を伝授しました。そのひとつが「代用」という考え方。新たな料理をいちから学ぶのではなく、既にある料理、身近な料理で代用する考え方です。例えば、グループのなかでひとりだけヴィーガンのお客さんがいたら蕎麦に野菜の天ぷらでも充分喜ばれるというのです。気を付けるのは、つゆのカツオ出汁と、天ぷら粉の卵くらい。他にも、おでんなどの鍋物や五目御飯ならばメイン料理にもなります。また、進化著しい代替食品も活用しようと紹介しました。お肉は大豆ミートに、卵ならばSOYスクランブル、乳製品は豆乳やココナッツミルクなどです。加えて、以前より悩みの種とされていたデザートも、豆乳を発酵させたものが生クリームとそん色なくなっており、バターを使わないパイ生地なども市販されています。そうした既製品を庄内の強みである野菜や果物と絡めることで、充分に魅力的な料理ができるというわけです。
その上で比嘉さんは「大豆タコスとSOYチーズのブルスケッタ」「べジスクランブル」「蕎麦の生七味ペペロンチーノ」「野菜のルンダン(インドネシア風カレー)」「SOYテラミス」「SOYミルフィーユ」の6品を提供しました。実際に試食した参加者からは、そのクオリティの高さに驚きの声が上がっていました。最後に比嘉さんは、食のダイバーシティは「ストック」「知識」「考え方」で十分乗り越えられると言い、それを街全体で支えることが大事であり、こうした姿勢が、インバウンドのお客さんにも通じ、リピーターにもつながると述べました。力強い2人の講義に参加者も一歩を踏み出す勇気を後押しされたようでした。

湯野浜ガストロノミー 循環サイクル「ゆのはまわ~る」プロジェクトを実施しました

「『食の循環』で地域もまわす。湯野浜温泉のガストロノミーツーリズム」

湯野浜温泉は、鶴岡市に4つある温泉郷のひとつで、はるかむかし古くから海と白浜と温泉を魅力に多くの旅人を惹きつけてきました。その湯野浜の旅館「亀や」を会場として、2024年1月23日、「ゆのはまわ~るプロジェクト」旅館研修会が行われました。
このプロジェクトは、地域食材の循環を推進するなど、サスティナブルな地域を実現することで、独自のガストロノミーツーリズムを育てていく取り組みで、研修には、旅館の経営者や調理長など18人が参加しました。
ガストロノミーとサスティナブルな地域が、どのように結びつくのか。なかなか想像がつかないですが、例えば、いくら優れた伝統や文化があっても地域が疲弊していては意味がありません。地域の農業を守り、名物となる食材を育て、ビジネスにつなげていく地域の循環をつくることは、結果的に地域農業や地域経済の継続性を担保し、ガストロノミーツーリズムの基盤を整えることになるというわけです。
 
「分解力」に「タンパク質」最強幼虫の潜在力
研修は、プロジェクトを主導する湯野浜100年の切江芽依氏の司会のもと、同じく湯野浜100年取締役の阿部公和氏の概要説明からスタートしました。
プロジェクトの基盤となるのは、旅館やホテルから出る生ごみをアメリカミズアブという昆虫の幼虫が分解し、それを肥料にして地域特産の野菜を栽培。それを再び料理に使って価値を高めていくというサイクルをつくることです。阿部氏によれば、地域独自のガストロノミーツーリズムのメインに野菜を思い描いていた時に、たまたま損保ジャパンの岡本祥氏から生ごみを分解するミズアブの話を聞いたことが、このプロジェクトのきっかけになったといいます。サスティナブルな取り組みも、もともと湯野浜では、環境省と一緒に温泉の未利用熱を利用してCO 2の削減を行っており、旅館から出るごみに関しても組合が一括して収集し、処理していたことで自然な流れだったそうです。阿部氏は、美味しいことも重要だが、その裏にある食を大切にする文化もまたガストロノミーには欠かせないものではないかと、このプロジェクトの意義を強調しました。

次に、山形大学農学部でアメリカミズアブの研究を行う佐藤智准教授が登壇し、生ごみを分解し、肥料に変えるミズアブについての説明を行いました。
アメリカミズアブは、日本全国におり、別名、便所バチといわれるそうですが、名前とは裏腹に、病気を媒介することもなく、幼虫がタンパク質を多く含んでいることから、世界が注目する昆虫だそうです。この幼虫が、生ごみを旺盛に食べることで、本来ならば焼却すべき生ごみを、エネルギーを使うことなく、CO2を排出ることもなく処理し、肥料(液肥)にすることができます。
現在、佐藤先生は、すでに山形大学の学内で排出する年間1トンから2トンの生ごみをミズアブで処理しており、今後、推定55トンから65トンほど出るであろうとされる湯野浜温泉の生ごみを処理していくことを目指していきます。肝心の肥料の効果も化学肥料と同様の結果が計測されており、土壌にもいい影響があるといいます。また、肥料としてだけでなく、タンパク質の供給という役割にも期待が高まっていると佐藤先生はいい、そのポテンシャルの高さに参加者も驚いていました。

次にバトンを引き継いだのが、庄内空港近くで野菜を栽培するワッツ・ワッツ・ファームの佐藤公一氏。砂地の畑で庄内名産のメロンやミニトマト、ホウレンソウにショウガなど多彩な野菜を育てており、冬には、色味が乏しい野菜が多くなることから、黄色のカブや赤いニンジンなど、色鮮やかな野菜をビニールハウスでつくって、湯野浜の旅館でも使われています。
今回のプロジェクトにも、既に、山形大学と循環型の農業を共同で行っていた関係から抵抗なく参加しました。さらに、佐藤さんは、農家の課題として、野菜の販売価格は上がっているものの、卸価格は変わらないことから、生産コストをいかに下げるかに頭を悩ませていました。そういった背景から、廃棄された生ごみの利用は、コストの抑制にもなると期待をしています。ただ、まだどのタイミングで、どれくらいの量を使用することが効果的なのかというデータがないことから、今後も試行錯誤が続くようです。
 
サスティナブルだけではビジネスにならない
湯野浜100年の阿部さんいわく、いくら地球に優しい取り組みをしていても美味しくなければビジネスは成り立ちません。そこで阿部さんは、東京・丸の内の東京會舘から旧知の鈴木直登氏(日本料理顧問)を招き、湯野浜の味の「美味しさ」を考える研修を行いました。
ミズアブがつくった肥料で育てた野菜で鈴木さんがつくり、参加者やマスコミに振舞われたのは、鯛とあわせ柚子の風味が効いた「鯛蕪菁蒸 日本海風味」とベニズワイガニとあわせた「夜昼大根」の2品。会場にいる誰もが、美味しさをかみしめながら、講義を受けていました。
まず、鈴木さんが述べたのは、食材には「本能」が求めるもの、「理性」が求めるもの、そして「欲望」に駆られる3つの種類から成り立っているということでした。一般的に儲かるとされるのは「欲望」に駆られる食材。その代表であるお酒などに比べると、理性が求める野菜は、お客さんに訴える力に欠けるといいます。だからこそ、野菜の良さをより引き出すために保存法や調理法について詳しい解説を行いました。例えば、大根やカブの保存は、葉と根を切り落とし、常温で新聞紙に巻き、できれば吊るしておくことがよいということや、根菜など土に埋まっていたものは皮を剥き、一度陽の目を見せること、魚もしっかり生命を断って調理したほうが美味しくなり、決して鮮度を追求すればよいのではないことなど、目からうろこの講義となりました。
そして最後に「季節になったら、ここ湯野浜に来たいと思われるような料理」を目指して欲しいと述べ、ワッツ・ワッツ・ファームの佐藤さんにも「皮を食べられるような野菜をつくって欲しい」とリクエストをされていました。
 
湯野浜はこれまで「海」、「白浜」そして「温泉」が魅力と言われていました。そこに、このプロジェクトで「暮らし」と「食」が加わったことで、100年先に続く湯野浜のガストロノミーツーリズムが誕生したのではないでしょうか。

つるおかごはんインスタキャンペーン【終了しました】

終了しました。投稿くださった皆様ありがとうございます。
2024年1月を目途に当選された方へDEGAM鶴岡ツーリズムビューローアカウントの@tsuruokakankoよりご連絡申し上げます。

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旅先での楽しみのひとつ「ごはん」
みなさんが山形県鶴岡市の旅で食べた美味しいごはんの投稿をInstagramで大募集!

投稿いただいた方の中から抽選で5名様に米どころ庄内鶴岡の「お米」と「ごはんのおとも」、さらに鶴岡市を含む庄内地域の周遊にぴったりな「手ぬぐいスタンプ帳」をプレゼント!
ご自宅で鶴岡のごはんをお楽しみいただいた後、手ぬぐいスタンプ帳を片手に、ぜひまた鶴岡市の美味しいごはんを食べにお越しください。
 
プレゼント内容】(お一人様あたり)
・井上農場 お米セット×1セット
・ごはんのおとも×1セット
・手ぬぐいスタンプ帳×1枚

 
応募方法
①DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー公式Instagramアカウント(@tsuruokakanko)をフォロー
②指定ハッシュタグ( #つるおかごはん、#つるおか観光 )をつけて、
上記アカウントへメンションのうえ、鶴岡の美味しいごはんをご投稿ください。
(写真・リール動画問いません)
 
もちろん鶴岡市在住の方の応募も大歓迎です!
旅の途中の昼ごはん、旅館・ホテルの夕ごはんや朝ごはん、美味しい情報をお待ちしています。
応募方法や規約について、必ず以下の項目をご確認ください。

【7/13~8/25土日祝限定】羽黒山湯殿山の移動に つるおか観光しゃとるバス【予約不要】

鶴岡駅から羽黒山、羽黒山から湯殿山へ乗り継げるシャトルバスが期間限定運行されます。
運行ダイヤ及び詳細は公式サイトおよびパンフレット(PDF)をご確認ください。

★ 1日乗り放題でご利用可能!
★ 庄内あさひバスストップで、仙台線(予約制)・山形線(座席定員制)に乗り継ぎ可能!
★ 迷わず安全に目的地に行ける!

【期間限定】湯殿山シャトルバス【終了】

*終了しました
【湯殿山シャトルバス】
指定日に、高速バス山形線の停留所「湯殿山口」から仙人沢までの無料送迎「湯殿山シャトルバス」が運行します。

運行期間:2023年7月1日(土)~9月30日(土)期間の指定日
*主に土日祝。運行日、時刻表の詳細は以下の公式サイトよりご確認ください。

乗降場所
<高速バス>酒田・鶴岡~山形線「湯殿山口」

利用方法事前予約制
※ご予約はご乗車日の前日13:00まで
※詳細は下記リンク先の庄内交通公式サイトをご確認ください。

申込・問合せ先:庄内交通株式会社 鶴岡営業所 TEL0235-22-2608
★乗降場所、ご予約の流れ等はこちらをご覧ください庄内交通
 
 
*定数に達したため終了しました
【鶴岡・羽黒山と湯殿山を結ぶ「つるおか観光ライナー」】
運行期間:2023年6月1日(木)~11月3日(金・祝)
運行時間:8:00~15:00
運賃(2名様以上)
1乗車区間:お一人様3,500円(税込)
2乗車区間:お一人様6,500円(税込)
※1名様でご利用の場合は、1乗車区間7,000円、2乗車区間13,000円となります

申込・問合せ先:庄交トラベル 
鶴岡営業所0235-24-2550 または ANA庄交プラザ鶴岡0235-24-3549
★乗降場所、ご予約の流れ等はこちらをご覧ください庄交トラベル
※予算が無くなり次第終了となります
 

【6/1~11/3】羽黒山湯殿山の移動に つるおか観光ライナー【事前予約制】

鶴岡駅から羽黒山や湯殿山への移動に便利なハイヤーが期間限定運行されます。
詳細は公式サイトおよびパンフレット(PDF)をご確認ください。

★不慣れな道の運転や駐車場を探すなどの心配なく、ご予定に合わせた自分のペースで観光が可能に!
★混乗を避けて1組ごと運行するので安心!
★期間中は毎日運行可能、ご希望の時間で走るので便利!

春のインスタフォトコンテスト写真大募集【終了しました】

桜のあとは初夏に向けて新緑の季節!
そんな鶴岡や海の山形を感じられる鶴岡の投稿を募集するInstagramでのフォトコンテストを開催中です📷
4月1日から山形県春の観光キャンペーン「心ほどけるやまがた」もはじまります!この期間にあわせて、お写真募集します📷ぜひ、この機会に鶴岡へ訪れてみてくださいね☺(フォトコンテストといいつつ、動画も対象としています◎)

冬の泊まってリピートキャンペーン【終了しました】

国民保養温泉地が全国最多4つの山形県鶴岡市。
4つの温泉地の魅力をさらにお届けするため、鶴岡に宿泊された方を対象にリピート旅でご利用いただける宿泊利用券が抽選で当たるキャンペーンを開催します。
以下の対象宿泊施設に宿泊された方を対象に応募券をお渡しします。ご応募いただいた方の中から抽選で温泉地指定10,000円分の宿泊利用券をプレゼント!

【対象宿泊施設】
湯野浜温泉
愉海亭みやじま游水亭いさごや亀や竹屋ホテル龍の湯華夕美日本海海辺のお宿 一久 ホテルテトラリゾート鶴岡西洋茶寮 / 扇屋旅館 / 真砂子屋はまあかり潮音閣福宝館しらはま屋
 
あつみ温泉
萬国屋たちばなや高見屋別邸 久遠あつみホテル温海荘瀧の屋かしわや旅館東屋旅館
 
湯田川温泉
九兵衛旅館珠玉やますや旅館つかさや旅館理太夫旅館仙荘湯田川隼人旅館湯どの庵
 
由良温泉
ホテル八乙女ホテル サンリゾート庄内温泉民宿 石川温泉民宿 石川 別館源泉かけ流しの湯 ほり旅館民宿 本間義一民宿 和田伝兵衛 民宿 佐藤伝三郎民宿 伊藤由治郎