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食文化 庄内米
【歴史】
庄内で米づくりが本格的に始まったのは8世紀、出羽の国が置かれるようになってから。江戸時代に入ると荘内藩主・酒井忠勝が稲作を奨励したことによって増産に拍車がかかり、庄内は米の一大生産地として全国にその名を知られるようになります。
慶安2年(1649年)には酒田に米座が設けられ、出羽の酒田は米取引の中心地として大阪の堂島や加賀の金沢と並び称せられるほどになりました。江戸が大飢饉に見舞われた際には幕府は西廻り航路(北前船)を拓かせ、庄内平野から江戸へ大量の米を運び込ませました。
また庄内地方は、明治以降多くの民間育種家を輩出しています。その中の一人である阿部亀治(庄内町)が育種した「亀の尾」は明治末から大正時代にかけて、国内だけでなく朝鮮半島や台湾でも栽培され、日本水稲優良三大品種に数えられるまでになりました。現在よく見かける「コシヒカリ」「ササニシキ」「はえぬき」など美味しいといわれる品種の血統をたどると「亀の尾」に行き当たります。
【特徴】
近年は美味しい米づくりの追究が進み、様々な品種が生まれています。
*つや姫(山形97号)
名前の通り、外観上の際立つ白さとツヤが特徴のお米です。炊き上がりのツヤに加え、甘み・旨味・粘りのバランスがよく口に入れたあと広がる甘みが秀逸。お米本来の味がよく分かるだけでなく冷めても美味しいお米として人気があります。
*はえぬき(山形45号)
米粒の張りがしっかりしていて粘りもあり、歯ごたえもよく、噛むほどに旨み・甘みが口の中に広がります。冷めても美味しさが変わらないことから業務用としても人気の高いお米で、食べ飽きないバランスの良さや、毎年変わらない安定した品質が特徴です。
*雪若丸(山形112号)
「はえぬき」や「つや姫」に次ぐ山形県の新しいブランド米で、10年余りかけて完成した品種。平成30年産米より本格デビューした非常に新しい種類のお米です。炊いたご飯は際立つ白さと優れた光沢に加え、大粒で粒立ちのしっかりした外観を持っています。
食文化 庄内豚
【歴史】
庄内では古くから米作りが行われてきました。日本有数の穀倉地帯であるここでは、田んぼに良質な堆肥を還元するため、農家は家畜を飼っていました。中でも養豚が盛んで、早い段階から品種改良や飼料の研究などが進められた結果「庄内豚」が誕生。米どころ庄内と庄内豚はこうした深い縁で結ばれています。
【特徴】
庄内豚は「ガッサンL」を母豚とする足腰が丈夫な三元豚で、180日前後で110kgまでに成長するなど発育が早いという特徴があります。あっさりとした甘みのある脂肪と柔らかく味わいのある赤みをもっています。山形県の秋の風物詩である芋煮会では内陸地方は牛肉、庄内地方は豚肉が使われることからもわかるように、庄内では豚肉が好まれています。それだけに味に対するこだわりも強く、生産者はより高品質な豚を生み出すために努力を続けています。現在庄内では約70の農場が庄内豚の養豚を行っており、各農場がさまざまな工夫を重ねながら美味しい肉の生産を行っています。しかし、少子高齢化や後継者不足などの影響があり、生産者は大きく減少しているのが現状です。
食文化 鯛
【歴史】
昔、鶴岡を治めていた荘内藩は、藩内に磯釣りのための遠足を奨励する御触書を出していました。鶴ヶ岡城下から庄内浜の釣り場まで出かけるには12~20キロの道のりを歩かなければなりません。その距離を長い竿をかついで夜中から歩き、山越えをすることで体力、胆力の鍛錬ともなりました。また苦くて食べることができないといわれていることから、その名がついたとされる庄内地方特産の苦竹を加工して作られる「庄内竿」の文化も生まれています。釣果を誇る魚拓の文化も庄内が発祥とされており「致道博物館」には日本最古の魚拓が保存されています。荘内藩の中で、釣りはとても身近で日常生活に深く溶け込んでいたといわれており、今現在も「黒鯛」は市の魚として親しまれています。
【特徴】
庄内平野と庄内沿岸は川・砂浜・岩場(磯)・港・堤防があることで釣りに最適な土地になっています。江戸時代の荘内藩での奨励で栄えた庄内の釣り文化は今もなお受け継がれており、庄内では多くの釣り人が釣りを楽しみ、さらには庄内浜での釣りを楽しむために県外からも多くの人たちが訪れています。
飲食店紹介ツール「鶴岡 食のてはがき」
「てはがき」で美味しいローカル食を味わおう!
食のまち、山形県鶴岡市の旅を味わって手渡す 「鶴岡 食のてはがき」。地元でも愛されているまちなかの飲食店を紹介します。出張、日帰り観光、旅行など、鶴岡にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
〇使い方
①旅人(観光客)は観光案内所等でてはがきを入手し、飲食店を訪問。
→積極的な情報の提供
②食事を楽しんだ後は、てはがきに感想を記載し、店舗スタッフに手渡す。
→交流のきっかけ
③旅人が記載したお店の感想は、次の旅人へのてはがきとなります。
※当面は、HPや観光案内所等で口コミとして紹介。
→口コミの見える化
〇配布場所
観光案内所、鶴岡駅周辺のビジネスホテルなどの宿泊施設 等
〇実施店舗(店舗名をクリックすると該当店舗の「てはがき」をご覧いただけます)
居酒屋 堂道、うなぎ若林、おかみの手料理 夕顔、ジュールファスト、すたんど割烹 みなぐち、炭火ダイニング 味らく、とん七 鶴岡こぴあ店、フードコート 鶴岡バル、葡萄酒蔵、美都寿し、焼き肉 いわじ、和定食 滝太郎、和洋創作料理 べんけい(五十音順)
在来作物 夏【だだちゃ豆】
夏【だだちゃ豆】
日本一有名な茶毛系統の枝豆で、茹でると芳ばしい香りがあたりに立ちこめ、口に入れると甘みとうま味が広がる。
某ビールメーカーのCMにも取り上げられ、極上の枝豆として、全国的に有名になった鶴岡特産の枝豆「だだちゃ豆」
独特の香りと、噛めば噛むほど味わいの増す深みのある甘さをもつ、まさに枝豆の王様。
幅広い系統の品種があり7月の中旬頃から早生品種が出回り、旧盆を過ぎた頃からが一番の旬を迎え、9月中旬頃まで楽しめます。
だだちゃ豆は、鶴岡の土地条件にマッチしており、同じ種子を他の地域で生産しても、その品種特性が消えてしまうという「わがまま」な枝豆です。
▼朝採りの新鮮な本場の「だだちゃ豆」を求めて、大勢の方が訪れます▼
・庄内観光物産館 ふるさと本舗
・大泉だだちゃ豆直売所【7月下旬~8月末】
・JA鶴岡ファーマーズマーケットもんとあ〜る
>> (サイト内)産直・道の駅
【だだちゃ豆の名前の由来】
「だだちゃ」とは、山形県庄内地方の方言で「親父」とか「お父さん」という意味。その昔、枝豆好きな庄内藩のお殿様は、城下から毎日のように枝豆を持ち寄らせ「今日はどこのだだちゃの枝豆か?」と聞いて食したことから、いつからか 「だだちゃ豆」と呼ばれるようになったと言われています。
【だだちゃ豆の特長】
さやにはえる茶色のうぶ毛と深いくびれ。茹でると、とうもろこしのような独特の香りが広がり、噛めば噛むほど旨味が増してゆく味わい深い甘味のある枝豆で、同じ種子を他地域で栽培しても、だだちゃ豆特有の旨味が消えてしまうと言われています。まさに鶴岡の風土と生産者の努力が作り上げた枝豆の最高傑作、それが「だだちゃ豆」です。
>> JA鶴岡 だだちゃパラダイス「だだちゃ豆データブック」
「白山だだちゃ」発祥地・鶴岡市白山の白山公民館には、白山だだちゃの原型と言われる「籐十郎だだちゃ」を創選した主婦、森屋初(1869-1931)の功績を顕彰し、「白山だだちゃ豆記念碑」が建立されています。
▼鶴岡への来訪が難しい場合は、通販でお取り寄せも▼
在来作物 夏【外内島きゅうり】
夏【外内島きゅうり】
鶴岡市外内島地区で栽培されている、みずみずしく、皮が薄く、肉厚でサクッとした歯触りが特徴のきゅうり。頭の部分は緑色で苦味が強く、お尻の部分は白くて甘い。
在来作物 夏【民田なす】
夏【民田なす】
鶴岡市民田地区で栽培されてきた、果肉にしまりが良い小型の丸なす。松尾芭蕉「奥の細道」に登場する、初なすびが民田なす(当時の呼び名は「外内島なす」)であるともいわれている。
夏の行事食 お盆のお膳
夏の行事食「お盆」
13日の精霊迎えから16日の精霊送りまでの期間を言います。ご先祖様の霊を迎え、霊を供養する行事です。鶴岡市街地、加茂、湯野浜地区や旧温海町の湯温海地区では7月13日から7月16日に行い、それ以外の地域では8月13日から8月16日に行っていることが多いようです。
(江戸時代までは全国的に7月15日を中心にお盆を行っていましたが、明治になって新暦(太陽暦)が採用されると、新暦の7月では当時の農家にとって一年中で最も忙しい農繁期であり、ゆっくりと先祖供養ができませんでした。そのため一か月時期をずらしてお盆の行事をするようになりました)
精霊迎え【13日】
各家庭でご先祖様の霊をまつる精霊棚を作り、盆花を供えます。支度が整ったら、餅やあられ(刻みなす)を重箱に詰め、花や水、菓子を持って墓参りに行きます。夕方には門前で迎え火を焚いてご先祖様の霊をお迎えします。
精霊送り【16日】
お供えした物を川や海に流し、ご先祖様の霊を送ります(朝ご飯をお供えしてから、午前中のうちに送る)。この時期行われる盆踊りは、もともとはお盆に帰ってくる霊を慰め、これを送るために踊ったのが始まりでした。
亡霊(亡利(もり))供養【24日】
庄内地方独特のもので、ぼた餅を持って墓参りをし、塔婆を立てて死者の冥福を祈りご先祖様を供養します。以前は鶴岡市清水にある『モリの山』に参拝しましたが、現在では各寺院で供養が行われています。
献立内容
(写真中央 膳左下から時計回り)
* ご飯
* 漬物
* 南禅寺豆腐
* 煮物
* ところてん
* 汁物
吸い物、すまし餅、八杯汁(はちへじる)など。他になすの田楽、みょうがの田楽、なすの鍋焼き、ねじりなす、いんげんの和え物など各地域、家庭により様々です。
(写真両端)
* うちわ餅
(写真上左から)
* 牛(へた付きのなす)
角・・・青唐辛子
足・・・柳
耳・・・枝豆
尾・・・ヒエ、ススキ、とうもろこしの毛
昆布の腹巻き(くらの意)
* 馬(きゅうり又は夕顔)
足、耳、尾は牛と同じ。
※ 現在、足を割り箸などで代用している家庭が多いようです。13日の朝、小鉢に入れた水をヒエの穂かぼうず花(千日紅)で牛と馬にかけてあげます。
* あられ
きゅうり、なすを1cm角に切り、水にさらしたもの。蓮の葉の上にのせる家庭が多いようです。
山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」
在来作物 秋【庄内柿】
秋【庄内柿】
庄内地方一円で栽培されている平核無(ひらたねなし)という渋柿。庄内柿の原木は今も鶴岡市鳥居町に現存し、鶴岡市の天然記念物に指定されている。種がなく、四角平らで、果肉は固め。渋抜きすると、さわやかな甘みをもつようになる。
在来作物 秋【からとりいも】
秋【からとりいも】
庄内一円に分布し、最上川を境に北は青茎、南は赤茎と栽培系統が分かれている。えぐみの少ない里芋の一種。親芋、小芋、茎、葉まで全て食べられる。庄内風いも煮に入れると絶品である。
秋の行事食 田の神上げの献立
秋の行事食「田の神上げ」【11月23日】
春に山を下った神が『田の神』となり、その勤めを終える秋には山に登って『山の神』となると言われています。田の神上げとは、一年間田を守っていただいた神様に感謝し、田の神が山に帰るのを送る行事です。地域によって違いはありますが、全体としては11月23日に行われます。
献立内容
一の膳(写真左下から時計回り)
*ご飯
*漬物(赤かぶ漬)
*尾頭付きの魚(口細カレイ)
*雑煮餅
二の膳(写真上から)
*煮物(鮭と大根の煮付け)
*お浸し(菊のお浸し)
他にあん餅、油揚げの煮物、なめこのおろし和え、吸物など各地域、家庭により様々です。
鶴岡では、今年取れた新しいもち米で餅をつき、箕のに入れ、稲穂、御神酒、新米と尾頭付きの焼き魚とともに神棚に供えます。その年の新米は田の神上げの際に初めて食べていました。
山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」