春の行事食 端午の節句 はるのぎょうじしょく たんごのせっく

春の行事食「端午の節句」
奈良時代から続く行事です。古代中国より伝わり、端午の日は野に出て薬草を摘み、ヨモギで作った人形を戸口にかけたり、菖蒲を入れた酒を飲んで病気などの災難のお祓いをしていた日でした。やがて江戸時代頃から、菖蒲と尚武(武を重んじる)が発音が同じことから男の子の出世を願う行事となり、鯉のぼりを立てたり、武者人形を飾って男の子の健康と出世を願うようになりました。邪気を祓うため、菖蒲やヨモギを戸口に飾ったり、菖蒲湯に入ります。
お祝いとして『笹巻き』を作ります。

菖蒲(しょうぶ)、よもぎ
菖蒲とよもぎを束ねて、戸口や神棚にお供えします。菖蒲は昔から薬草として使われてきました。煎じて飲んだり、根はかんぽ薬として使用し、胃薬、解熱、ひきつけ、創傷などの薬として使われていました。よもぎも昔から、漢方薬としてほとんどの病気に利用されてきました。食用に用いれば漢方薬の効果がそのまま得られるとされ、他にも入浴剤やお茶など様々な用途で広く利用されていました。

端午
元は月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、5月に限ったものではなかったが、牛(ご)と五(ご)の音が同じなので、毎月5日を指すようになり、やがて5月5日のことになったといわれています。端午の日は季節の変わり目であり、病気や災厄を避けるための行事が行われていました。

献立内容
*笹巻き
端午の節句のお祝いに作られます。 全国的には『ちまき』と言われていますが、東北地方を中心に『笹巻き』と呼ばれています。
(写真お膳左下から時計回り)
*ご飯(孟宗筍ご飯)
*和え物(こごみのごま和え、人参の白和え)
*煮物(孟宗筍と油揚げの煮物)
*尾頭付きの魚(鯛)
*水羊羹
*汁物
他に酢の物、寒天など、各地域、家庭により様々です。

山形県鶴岡市食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」には伝統行事と食文化が紹介されています。食文化プロジェクト「つるおかおうち御膳」