伝統菓子「笹巻」と郷土料理「芋煮」づくりを体験しました!~農業&食文化体験レポート②~
鶴岡市街地
山形県鶴岡市で、農業と食文化をテーマにした5泊6日のツアーが開催されました。ツアーの主な内容は、3日間の「庄内柿」収穫体験、1日の観光、そして最終日の食文化体験です。最終日には、鶴岡の伝統菓子「笹巻」と郷土料理「芋煮」を作る体験が行われました。
→鶴岡の柿農家で収穫体験しました!~農業&食文化体験レポート①~を見る
食文化体験は、JR鶴岡駅前にある「つるおか食文化市場 FOODEVER(フーデバー)」で行われました。まず、第1部では鶴岡の伝統菓子「笹巻」づくりを体験します。
鶴岡の笹巻は230年以上の歴史を持つ伝統的な行事食で、端午の節句に欠かせない一品です。保存性が高く、黄色がかった色合いともちもちした食感が特徴で、2024年には「庄内の笹巻製造技術」として国の登録無形民俗文化財に指定されました。
笹巻づくりを指導するのは、笹巻き名人の伊藤ます子さん 。40年以上の経験を持つベテランで、彼女の笹巻は地元の産直市場「産直あさひ・グー」でも購入できます。
笹巻は、灰汁に浸したもち米を笹の葉に詰めて、煮てつくります。今回の食文化体験では、笹の葉を巻いてもち米を詰める工程を体験しました。笹の葉も、もち米も、鶴岡産です。
キッチンテーブルに集まり、講師の伊藤さんから笹の巻き方のレクチャーを受けます。まず、笹の葉を重ねて円錐形にし、灰汁に浸したもち米を詰め、「イグサ 」と呼ばれる結び紐で結びます。初めての参加者にとっては難しく、伊藤さんに何度も丁寧に教えてもらいながら試行錯誤を繰り返し、巻いていきます。
「難しいけど楽しいね」と満面の笑み。
一人3~4個の笹巻を巻きました。
郷土料理「芋煮」の調理体験
笹巻をスタッフが煮ている間、郷土料理「芋煮」づくりが行われました。芋煮は「鶴岡ふうどガイド」がレクチャーします。「鶴岡ふうどガイド」は、鶴岡食文化創造都市推進協議会認定のガイドで、鶴岡の食の魅力、食の歴史文化を伝える食の案内人です。
山形県の名物として知られる芋煮ですが、内陸部と鶴岡市を含む庄内地方では味付けが異なります。内陸部は牛肉使用して醤油味で煮込むのに対し、庄内地方では豚肉を使用して味噌で仕上げます。今回調理する庄内風芋煮には豚肉、里芋、長ネギ、油揚げ、こんにゃく、しいたけが入ります。いつも料理をしている参加者たちは、慣れた手つきで調理を進めます。
調理の合間にはフーデバー内で鶴岡の食文化や地酒に関するミニツアーが行われました。「鶴岡ふうどガイド 」のスタッフが、鶴岡市の多様な地形や文化、ユネスコ認定による国際交流、さらに市内にある4つの温泉地や3つの日本遺産などを紹介。食文化が地域全体と深く結びついていることを改めて実感する内容で参加者は話に聞き入っていました。
つや姫と雪若丸で、いただきます!
芋煮が完成すると、いよいよ試食タイム。鶴岡産のブランド米「つや姫」と「雪若丸」の新米を塩むすびにして食べ比べる贅沢な体験が用意されていました。
付け合わせには、在来野菜の民田なす、からし漬、焼き畑栽培のあつみカブ、しそ巻きが並び、鶴岡の食文化を堪能しました。
芋煮の料理酒として使われた鶴岡市大山地区の酒蔵、渡會本店の「壷中之天」も少量試飲しました。フルーティーで華やかな味わいのある純米大吟醸です。これを料理に使うなんて、贅沢ですね!
参加者たちは「どちらのお米もおいしい」「ほっとする味ですね」「お土産に買って帰りたい」と笑顔で食事を楽しみました。
笹巻はスタッフが煮て冷やし、参加者は完成品をお土産としてお持ち帰り。
笹の葉を開くと、黄色のぷるんとした中身が現れます。食べる際にはきな粉や黒みつを添えて楽しむのがおすすめです!
鶴岡の魅力を体感
食文化体験は、土地の歴史や暮らしを味わい、深く知るきっかけとなる特別なひとときとなりました。このツアーを通じて、参加者たちは農業や食文化に触れ、地元の人々との交流を楽しみながら鶴岡の魅力を体感しました。
鶴岡市では、鶴岡の食文化と農作物の魅力を伝えるツアーやふうどガイドによるイベントも開催しています。詳しい情報は下記サイトからご確認ください。
ユネスコ食文化創造都市・鶴岡(外部リンク) | https://www.creative-tsuruoka.jp/ |
鶴岡ふうどガイド(外部リンク) | https://tsuruoka-fudo-guide.com/ |
※ツアーの開催は不定期です
※本記事は2024年秋取材の内容を基に作成しました
鶴岡の伝統食「笹巻」特集を見る(近日公開予定)